今回は、これまでにも何度か引用してきた本・坂野雄二著『無気力・引っ込み思案・緘黙』、黎明書房、1989年についてお話します。
この本は、「非社会的行動問題」と呼ばれる、子どもの目立たない行動問題を取り上げています。
全175ページのうち、9-71ページが引っ込み思案の内容です。
本書は、少なくとも私が見た限り、引っ込み思案を体系的にまとめた数少ない国内文献の一つで、貴重なものだと思います。
実は、同時収録されている「緘黙」も、体系的にまとめた文献は少ないです(「無気力」については知りません)。目立たない行動問題は研究が盛んではないのでしょうか。それだけに、よくぞこうした本が刊行されたものだと思います。
20年前の本というのが少々気になりますが、内容のどこが古くて、どこが今日でも通用するかが私にはまだ十分分からないので、このことについて深入りは避けます。
この本は、全国の公立図書館にときどき置いてあることがあります。ただ、一般向けに書かれた本ではなく、かなり技術的な内容も含まれているので、少し読みにくいかもしれません。