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2009年4月29日水曜日

人に関心を寄せると、相手も自分に関心を持ってくれる、か

人を動かす 新装版デール・カーネギーの名著『人を動かす』は、原題を How to Win Friends and Influence People といいます。直訳すると、『友人を得て、人々に影響を与える方法』です。友達作りの方法も書いてあると言っていいでしょう。

さて、この本に書かれてある「人々があなたを好きになる6つの方法」(Six ways to make people like you)の一つに、「心から他の人々に関心を寄せる」(Become genuinely interested in other people)というものがあります。人に関心を寄せると、相手も自分に関心を持ってくれるということのようです。分かるような気がします。

※ 私は、『人を動かす』の原著は持っているのですが邦訳書は持っていません。このため、邦訳書でどう訳されているのかは分からず、我流の訳を載せています。分かりにくい訳で、すみません。

しかし、わが身を振り返ってみると(このブログのタイトルは「友達がいない子」なので、子ども時代を中心に振り返ってみます)、必ずしもそうでもなかったようにも思います。特に異性の友達(恋人じゃありませんよ!)を作るという話になると、なおさらそうだったように思います。

友達を作るにも、やはり両思い、片思いというのがあって、「思えば思わるる」のようにはなかなかいかないのではないかというのが実感です。あくまで私の場合、の話ですが。

子どもが『人を動かす』を手に取ることはあまりないでしょうが、大人がこの本をヒントに、友達ができない子にアドバイスをする、ということはできそうです。また、『人を動かす』にはティーンネイジャー版(女の子向け)『13歳からの「人を動かす」―人に好かれる女の子になる8つのルール』もあるそうです。

なお、緊張が強すぎて友達ができにくい子の場合、こうした本を読むよりも、緊張を治す方が先決ではないかと私などは思います。

2009年4月21日火曜日

社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらがいいのか

先月、近くの小学校の3学期終業式の様子をテレビで見ていたところ、驚きました。終業式に参加している児童の数が非常に少ないと感じたからです。

そこで、インターネットでその小学校の児童数を調べてみたのですが、その学校の児童数は1学年およそ20名しかいないことが分かりました。当然1学年は1学級で、きっとクラス替えも6年間ないのでしょう。

私の出身小学校は、中~大規模校でしたから(私は転校を経験しており、出身小学校が多数あります)、さすがに現在でもこの小学校ほど児童数は少なくはないのですが、それでも現在は、私がいた頃に比べれば、児童数は大幅に少なくなっています。少子化の影響に違いありません。

団塊の世代の時代は、小学校の児童数は私の頃よりもさらに多かったとも聞きます。しかしそれより前の時代になると、児童数はそこまで多くはなかったそうです。

■ 子どもの社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらが良いのか

子どもの社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらが良いのだろうかと素朴に疑問に思います。

大規模校だと様々な人と触れ合う機会が増えるでしょうが、希薄な付き合いになりやすそうです。また、クラス替えにより、人間関係が良くも悪くも変わりやすくなりそうです(クラス替えの頻度の多寡は学校にもよるのでしょうが)。さらに、多様な教師と接する機会が増えそうですが、教師は児童一人一人に目が行き届きにくくなるかもしれません。

一方小規模校だと、限られた人と触れ合うことしかできませんが、濃密な付き合いができそうです。また、クラス替えを行っても、人間関係が良くも悪くも固定化しやすそうです。さらに、多様な教師と接することはできなさそうですが、教師は児童一人一人に目が行き届きやすくなりそうです。

■ 専門家の見解は?

教育の専門家はこのあたり、どのように考えているのでしょうか。私なりに調べてみたのですが、今のところはよく分かりませんでした。

ただ、とある論文によると、中学校では、大規模校の方が小規模校よりも不登校、いじめ、校内暴力、非行といった問題がよく起っているというのが、先行研究の示すところだそうです(久能, 佐藤, 2002)。

[文献]

◇ 久能弘道 & 佐藤美鶴 (2002).へき地・小規模校における不登校へのアプローチ. へき地教育研究, 57, 79-90.

2009年4月12日日曜日

ブック検索で「友達がいない」と検索してみた(2)

前回に引き続いて、Google ブック検索で「友達がいない」と検索し、個人的に面白そうだと思ったものを取り上げ、コメントします。

◇ 星野仁彦(2006)『気づいて! こどものこころのSOS』ヴォイス。
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もうすぐ五月病の季節ですので、こうした子には気をつけたいものです。子どもの心の問題に関する文献を調べていると、ときどき星野氏の名前を見かけます。有名な方なのでしょうか。

◇ 力丸周(2002)『ドレミで子育て』文芸社。
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専門家の意見です。勉強になりました。

◇ 加藤諦三(2007)『いじめに負けない心理学-いじめられずに生きるために気づくべきこと-』PHP研究所。
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友達がいなかった私に仲良くしてくれようとした子がいたのですが、むしろ彼ら・彼女らの中に、この炭焼きのような人もいました。自分が好きなことに一方的に私を巻き込もうとし、困ってしまったことがあります。もっとも、彼ら・彼女らにしてみれば、何をすれば私が喜ぶだろうか分からなかったのかもしれません。私は極度の内気で、学校では何も話さない子だったので。

なお、「炭やきと羊毛をさらす人」は、岩波少年文庫から出ている『イソップのお話
』(河野 与一訳)などで読むことができます。

◇ 菅原裕子(2007)『子どもの心のコーチング-一人で考え、一人でできる子の育て方-』PHP研究所。
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一部、同意です。友達を作るなら、自分から心を開くことは確かに大事だろうと思います。友達がいない子の中には、こうしたことに案外気づいていない人がいるかもしれません。

2009年4月4日土曜日

ブック検索で「友達がいない」と検索してみた(1)

Google ブック検索で「友達がいない」と検索してみました。検索結果で出てきたもののうち、個人的に面白そうだと思ったものを取り上げ、コメントします。

◇ 桜家章(2006)『ララーイ-バンコクの幻影ー』文芸社。
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言葉遊びのようですが、「友達」の意味をかなり厳しくとる人の場合、「自分には友達が少ない」と思う傾向が強いのではないかと思いました。タイの人の場合、これとは逆らしいです。

◇ 高田広之進(2002)『心を育てる子育てマニュアル』吉備人出版。
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者は精神科医、臨床心理士であり、これは専門家の見解と言えます。

私などは、中学3年どころか、いまだに親友と言える人に出会ったことがありません。まるで自分のことを言われているようで、「ひどい言われようだな」と感じてしまいますが、なにしろ専門家の見解です。

診断を受けたことはないのですが、私は統合失調症や軽度発達障害はなかっただろうと思います。そうでもないのに親友がいたことがないとは、子育ては失敗だったのでしょうか。実際、私の親はときどき私の言動を見て「情操教育が間違ったのだろうか」と漏らすことがあります。ただ、情緒障害(場面緘黙症、選択性かん黙)の疑いはありましたが。

◇ 中村麻衣子(2001)『神様のおもちゃ箱』文芸社。
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友達がいない人、相変わらずひどい言われようです。友達がいなくて満足していた私からすれば、筆者の意見には全く共感できません。

友達がいる方がいいのか、いない方がいいのか、これは難しいところです。友達がいる人生といない人生を両方経験して、比べることができればいいのですが、そんなことはできません。人生は一度きりなので。

私の人生には、友達がいた時期とそうでない時期がありますが、どちらかと言えば後者の方が自分にとって良かったと自分では思っています。こんな風に考えるの、やっぱり変わってるのでしょうか…?