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2010年4月8日木曜日

『論語』に見る友人

論語 (岩波文庫)「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」など、『論語』には友人についても記述があります。今回は、『論語』に見る友人について取り上げてみます。

○ 子曰、徳不孤、必有隣、(子の曰く、徳は孤ならず。必ず隣あり。)

徳のある者は、決して孤立することはない。必ず親しい友人ができる……といったところでしょうか。とすると、友達がいない子は、徳がないということなのでしょうか。子どもの場合、同年代の子よりも大人びて、妙に人徳があると、かえって孤立してしまうのではないかと私などは思います。

○ 曾子曰、君子以文曾友、(曾子の曰く、君子は文を以て友を会し、友を以て仁を輔く。)

君子は詩書礼楽を通じて友人を集め、友人を通じて仁の成長を助ける……といったところでしょうか。いいですねえ。ただ馴れ合うだけの友人関係ではなく、こうしたお互いを高めあう友人関係を築くことができれば理想的です。

○ 孔子曰、益者三友、損者三友、友直、友諒、友多聞、益矣、友便辟、友善柔、友便佞、損矣、(孔子の曰わく、益者三友、損者三友。直きを友とし、諒を友とし、多聞を友とするは、益なり。便辟を友とし、善柔を友とし、便佞を友とするは損なり。)

「益者三友、損者三友」のことわざでも知られます。有益な友人は、正直な人、誠実な人、博識な人。有害な友人は、体裁ぶった人、こびへつらう人、口先上手な人。友人は選びたいものです。

[参考にした文献]

◇ 金谷治訳注『論語』、岩波文庫、1999年。