Social Icons

Pages

2008年12月12日金曜日

集団遊びと社会的自立

政府による新しい「青少年育成施策大綱」が発表されました。メディアでは、ニート、引きこもり、フリーター対策の部分が重点的に報じられていますが、次のような箇所もあります。

ⅳ 社会的自立につながる活動機会の保障
 (集団遊びの機会の確保)

  放課後児童クラブ、児童館、都市公園等の設置を推進し、集団遊びの場を確保するとともに、放課後子ども教室等を通じて、地域住民の参画を得て、学習活動やスポーツ・文化芸術活動、レクリエーション等の機会を提供する取組を推進する。

子どもの集団遊びは、将来の社会的自立につながるということのようです。

昔から「よく遊び、よく学べ」と言いますが、子どもの頃に遊ぶことは大事だという話はよく聞きます。例えば『保育用語辞典』の「集団遊び」の項目には、次のように書かれています(林邦雄, 2007)。

集団遊びでは、ルールを共有し、互いに摩擦を繰り返し、刺激を与えあいながら、人間関係能力、自己決定能力、情報処理能力などを、遊び体験を通して身につけていくという教育的効果がきわめて大きい。

(中略)

また、集団遊びは、幼児の個としての責任感や社会性を自然に獲得する意味でも重要な内容を含んでおり、保育者は集団遊びの指導力はもとより、その必要性を十分認識する必要がある。

※ 集団遊びについて、学術的にどういう理論や実証研究があるかは、現在探しているところです。勉強中ですが、分かり次第、ブログで書いていきたいと思っています!

となると、こうした集団遊びに加われない引っ込み思案児は、集団遊びによる教育的効果を享受できず、将来の社会的自立に不安を抱えることになりはしないでしょうか。

子どもに集団遊びの機会を確保すると、遊び上手な子どもはよく遊ぶことができるでしょう。しかし、そうした遊びに加われない引っ込み思案児は相変わらず十分に遊べないままではないかと思います。こうした子どもも集団遊びに加わることができるようにするためには、場合によっては「社会的スキル訓練」が必要です。

ちなみに、子どもの頃に引っ込み思案傾向があった私は、集団遊びの経験が極端に少なかったです。幼稚園の頃からお遊戯の時間が苦手でした。小学校に入ると友達があまりできなかったため(全くいない時期もありました)遊びにもあまり誘われず、一人で過ごすことがとても多かったです。また、集団遊びとは少し違いますが、仲間通しの交流が重要となる遠足や合宿といった学校行事は苦手で、苦痛でさえありました。もっとも、このことが、私の現在の状況とどこまで関係があるかは分からないのですが。

◇ ◇ 青少年育成推進本部(2007)青少年育成施策大綱、
http://www8.cao.go.jp/youth/suisin/taikou_201212/pdf/taikou_z.pdf、最終アクセス2008年12月12日。
◇ 林邦雄 (編)(2007)『保育用語辞典』、一藝社。