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2009年1月5日月曜日

『友達ができにくい子どもたち』

友達ができにくい子どもたち―社会性の発達と援助法今回は、『友達ができにくい子どもたち』という本の紹介です。

この本では「友達ができにくい子」を、(1)「ひとり遊びが好き」タイプ(2)「ひっこみ思案」タイプ(3)「ちょっとわがまま、ちょっと乱暴」タイプ(4)「落ち着きがない=多動」タイプ(5)「動きがゆっくり=寡動」タイプ(6)「発達に遅れがある」タイプ(7)「自閉症、アスペルガー症候群」タイプの7つに分類しています。

このブログで特に念頭に置いている引っ込み思案児は(1)(2)のタイプで、この本はもっと幅広い子ども達を対象にしています。

この本は、(1)(2)のタイプの子どもについては楽観的で、「今、友達がいなくてもまずは大丈夫」としています。私などはこのあたりについてどうなのかな、と思っています。特に「引っ込み思案」タイプについては、場合によっては、不安障害の可能性を視野に入れ、何らかの対応をとった方が良いのではないかという疑問を持っています(私は著者と違って専門家ではないのですが…)。大人の不安障害やうつは子どもの頃に既に根がある場合がほとんどです(ニートひきこもりJournal大人の不安障害、うつの大部分は、子供の頃に根が」参照)。また、不安障害の一つとも言われる場面緘黙症の子も「引っ込み思案」タイプに入るだろうと思うのですが、こうした子の場合も早期介入が必要です(この本では、緘黙について言及がありません)。

私などは、もしかしたら子どもの頃、「この子は引っ込み思案なタイプだから、今、友達がいなくてもまずは大丈夫」と大人に放置され、友達が少ない、もしくはいない状態が続き、前思春期になると、今度は「もう親のわかる範囲っていうのはほんとに少ない」「本当に親が教えるべきこと以外は、好きにしなさい」とさらに放置され続けたのではないかと思えてきました。

この本を読んでいくうちに、私が子どもの頃に友達ができにくかったのは、不安が強いとか一人遊びが好きだとかいうことの他に、情緒の発達が未熟だったからではないかとか、運動が苦手だったり不器用だったりとしたことが原因だったのではないかとか、新しい発見がありました。それというのも、この本が、先にお話したように、幅広い子ども達を対象にしているからでしょう。

イラストも交え、保護者向けに分かりやすく書かれてあります。