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2009年2月6日金曜日

白人のような真似しやがって→友達少ない

"Acting White" という言葉があります。訳すと、「白人のような振る舞い」といったところでしょうか。アフリカ系アメリカ人などが、例えば勉強して好成績をとったりすると、白人のような真似をしているとして、冷笑の対象にされてしまうことがあるのだそうです。

この "Acting White" を含む、黒人の学業不振などに関する研究を行っている人物の一人に Roland Fryer 氏という、ハーバード大学の新進気鋭の経済学者がいます(この方もまた、アフリカ系アメリカ人です)。

Fryer 氏と Paul Torelli 氏の論文(2006)を少し読んだのですが、それによると、全米9万人の中学高校の生徒を調べたところ、成績が平均 4.0(日本で言えばオール5に相当)だった黒人は、同じ 4.0 だった白人に比べて、同じ人種の友人の数が 1.5 人少なかったのだそうです。また、黒人は学業成績がある程度上がると、生徒からの人気度が下がることが分かったそうです(ヒスパニック系は、さらにその傾向が顕著です)。やはり "Acting White" は存在するのでしょうか。

いい成績をとったら友達ができにくくなるとしたら、友達とは一体何なのだろうと思います。友達を作ることは素晴らしいという一般的な価値観にも、疑問がわいてきます。

学業が盛んでない高校に進学してそこで勉強しようとすると、相当強い意志がないと大変だという話を俗に聞いたことがあるのですが、本当でしょうか。公立の小中学にはそうした学力格差は少ないだろうとは思いますが、やはり同じ市内でも地域によって伝統的に学力レベルが微妙に高いところと、そうでないところがあるとも聞きます。

かくいう私も、高校受験に失敗して、学業がそれほど盛んでない高校に進学しました。そこでは、よく先生が「周りに流されるな」とおっしゃっていたのが印象的です。私は先生のおっしゃることを実践していたのですが、少し周りから孤立しているように思われました。ただ、私の高校の場合、勉強熱心な生徒をさげすむ傾向まではなく、私はむしろ尊敬の念をもって見られていました(尊敬されるほど偉い人間ではないのですが…)。

[文献]

◇ Fryer, G.R. & Torelli. P. (2006). An Empirical Analysis of ‘Acting White’. Retrieved February 6, 2009, from http://ws1.ad.economics.harvard.edu/faculty/fryer/files/fryer_torelli.pdf