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2009年4月21日火曜日

社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらがいいのか

先月、近くの小学校の3学期終業式の様子をテレビで見ていたところ、驚きました。終業式に参加している児童の数が非常に少ないと感じたからです。

そこで、インターネットでその小学校の児童数を調べてみたのですが、その学校の児童数は1学年およそ20名しかいないことが分かりました。当然1学年は1学級で、きっとクラス替えも6年間ないのでしょう。

私の出身小学校は、中~大規模校でしたから(私は転校を経験しており、出身小学校が多数あります)、さすがに現在でもこの小学校ほど児童数は少なくはないのですが、それでも現在は、私がいた頃に比べれば、児童数は大幅に少なくなっています。少子化の影響に違いありません。

団塊の世代の時代は、小学校の児童数は私の頃よりもさらに多かったとも聞きます。しかしそれより前の時代になると、児童数はそこまで多くはなかったそうです。

■ 子どもの社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらが良いのか

子どもの社会性を育むには、大規模校と小規模校、どちらが良いのだろうかと素朴に疑問に思います。

大規模校だと様々な人と触れ合う機会が増えるでしょうが、希薄な付き合いになりやすそうです。また、クラス替えにより、人間関係が良くも悪くも変わりやすくなりそうです(クラス替えの頻度の多寡は学校にもよるのでしょうが)。さらに、多様な教師と接する機会が増えそうですが、教師は児童一人一人に目が行き届きにくくなるかもしれません。

一方小規模校だと、限られた人と触れ合うことしかできませんが、濃密な付き合いができそうです。また、クラス替えを行っても、人間関係が良くも悪くも固定化しやすそうです。さらに、多様な教師と接することはできなさそうですが、教師は児童一人一人に目が行き届きやすくなりそうです。

■ 専門家の見解は?

教育の専門家はこのあたり、どのように考えているのでしょうか。私なりに調べてみたのですが、今のところはよく分かりませんでした。

ただ、とある論文によると、中学校では、大規模校の方が小規模校よりも不登校、いじめ、校内暴力、非行といった問題がよく起っているというのが、先行研究の示すところだそうです(久能, 佐藤, 2002)。

[文献]

◇ 久能弘道 & 佐藤美鶴 (2002).へき地・小規模校における不登校へのアプローチ. へき地教育研究, 57, 79-90.