
およそ200ページからなる本ですが、このうち後半およそ100ページが、このブログのテーマと重なる「孤立児」に関する内容です。
幼稚園・学校の教師や専門家を対象に書かれたと思われる本で、孤立児の概念、孤立の諸相等といった孤立児全般に関する論考に加えて、孤立児の事例研究が何例も載っています。
もう30年以上も前の本で、この本の議論は今日でも通用するものなのかどうか私には判断できませんが、類書は私の知る限りほとんどなく、貴重な本ではないかと思います。
「孤立児」という言葉ですが、本書には「孤立児ということばは、児童臨床ではあまり用いられていない」(109ページ)とあります。CiNii(国立情報学研究所の論文データベース)で検索しても19件しかヒットせず、やはりあまり一般的な用語ではないようです。「孤立」であればCiNii で5,000件以上もヒットするのですが、この中には「核兵器 北朝鮮は孤立していない」など、関係ないものも数多く含まれています。
なお、この本の前半にまとめられてある「緘黙」ですが、これは心理的なことが原因で話さない(話せない)ことです。多くは、やはり子どもの問題です。緘黙について関心のある方は、姉妹サイト「場面緘黙症Journal」をご覧下さい。
場面緘黙症Journal
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