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2009年10月29日木曜日

友達いないと、就職に不利か

今朝の『日本経済新聞』朝刊第29面「経済教室」(著者:有賀健・京都大学教授)に、高卒者のキャリア研究に関する記事が掲載されました。有賀教授と、大竹文雄・大阪大学教授、佐々木勝・大阪大学教授、黒澤昌子・政策研究大学院大学の共同研究にもとづく考察です。

詳しい説明は割愛しますが、有賀教授らの調査の結果、学業成績がよい、クラブ活動に熱心に取り組む等の特徴を持つ生徒は、統計的に正社員として就職する者の割合が有意に高いことが分かったそうなのですが、そうした特徴としてほかに、「友人の数が多い」というものもあったそうです。要するに、友達の数が多い生徒は、正社員として就職する率が高いということです。

友達の数が多いことを採用面接で話すことによって、採用担当者は「この人は社会的スキルがある」と判断して採用されやすくなるのか(シグナリング理論)。それとも、高校時代に友達とともに過ごす体験を多く持つことによって社会的スキルが身につき、採用試験の場でその高い社会的スキルが採用担当者に評価されて、採用されやすくなるのか(人的資本論)。

いずれにしても、友達がいないような高校生は、就職活動ではどうも不利なようです。もっとも、「学業成績がよい」など他の面でカバーできれば問題ないのですが。

それにしても、高卒で就職を考えている人に、「お前ら、友達が多い方が就職に有利だから、就職対策に友達を作れ!」と指導することはできなさそうです。